
看護師として30年、患者さんの「口から食べる」回復を見守り続けてきた私が、愛犬を亡くした後に北海道でたどり着いた答えが「無添加」でした。食べるものは、命に直結する。人間も犬も、ここだけは妥協できないと思っています。
7歳を過ぎたころから、「前ほどガツガツ食べなくなった」「少し痩せた気がする」と感じることが増えてきます。うちもそうでした。シニア期のごはんで私が大事にしているのは、たった4つ。①筋肉を守る、②胃腸に負担をかけない、③水分を切らさない、④食べやすくする。難しい栄養計算より、この4つを意識するだけで、毎日のごはんはずいぶん変わります。順番に、できるだけ具体的にお話ししますね。
先に結論
シニア犬のごはんは 「筋肉を守る高タンパク・低脂肪」「消化にやさしく」「水分を切らさない」「噛みやすく」 の4つ。食欲が落ちたら、まず人肌に温めて香りを立てるところから。フードやおやつは「原材料の最初に、ちゃんとお肉が来ているか」を見れば、ほとんど見分けられます。
シニア犬は何歳から?数字より「食べ方の変化」に気づいてあげる
目安として、小型犬は7歳、大型犬は5〜6歳ごろからシニア期に入るといわれます。ただ、私がいつもお伝えしているのは、年齢の数字よりも「食べ方の変化」に気づいてあげてほしいということ。見た目は元気でも、体の中ではゆっくり変化が始まっています。
- 食べるスピードが落ちた、途中でやめるようになった
- 同じフードなのに、急に食いつきが悪くなった
- 背中や腰が少し痩せて、骨を感じるようになった
- 硬いおやつを残す、片方の歯で噛んでいる
こうしたサインが出てきたら、「若い頃と同じごはん」を見直すタイミングです。代謝が落ちて太りやすくなる一方で、筋肉は減りやすくなる。嗅覚も衰えるので、香りが弱いと食いつきも落ちます。だからこそ、次の4つが効いてきます。
シニア犬のごはんで、私が大事にしている4つのこと


① 痩せること以上に、「筋肉が落ちること」を防ぐ
シニア犬でいちばん気にしてほしいのは、体重そのものより筋肉が落ちることです。筋肉は足腰を支え、代謝を保つ大切な組織。ここを守るには、良質なタンパク質をしっかり、脂肪はひかえめにが基本になります。脂っこいものはカロリー過多や胃腸の負担につながるので、低脂肪で良質なお肉を選びたいところ。「シニア犬に高タンパク・低脂肪が必要な理由」「老犬が痩せてきた時の食事」もあわせて読んでみてください。
② 胃腸に、できるだけ負担をかけない
歳をとると消化の力も落ちてきます。脂っこいものや、添加物の多いものは避けて、原材料がシンプルなものを選ぶと、胃腸がラクです。難しく考えず、「人間でも胃にやさしそうか」を一つの目安にしています。
③ 水分を切らさない(これが見落とされがち)
シニア犬は、自分から水を飲む量が知らないうちに減っていきます。我が家でやっているのは、ごはんに大さじ1杯ほどのお湯を足すこと。これだけで水分も摂れて、香りも立って一石二鳥です。詳しいコツは「老犬が水を飲まない時の水分補給アイデア」にまとめました。
④ 噛む力に合わせて、食べやすくする
歯や噛む力が弱った子には、やわらかくする・小さくする・ふやかす、のひと工夫を。硬いおやつも、ほぐしたり砕いたりすれば最後まで楽しめます。「うちの子、もう硬いのは無理かな」とあきらめる前に、「噛む力が落ちた老犬の食べやすいごはん」を見てみてください。
「食べない」とき、私がまず試すこと
「急に食べなくなった」「元気はあるのに食が細い」——シニア犬で本当によくある相談です。あわてて病院に駆け込む前に、まず試してほしいことを、効く順に並べます。
- 人肌に温める……嗅覚が落ちた子は、香りが立つだけで食いつきが戻ることがあります。いちばん手軽で、いちばん効きます。
- 少しだけトッピングする……いつものごはんに香りと味の変化を。無添加のジャーキーをほぐしてのせるのもおすすめです。
- 回数を分ける……一度に食べきれないだけのこともあります。1回量を減らして回数を増やしてみてください。
原因別のもっと詳しい対処は「老犬がごはんを食べない時の対処法」「元気なのに食欲がないシニア犬」「食いつきが落ちた老犬のトッピング術」に書きました。ひとつだけ正直にお伝えすると、2日以上まったく食べない、ぐったりしている、嘔吐や下痢があるときは、迷わず動物病院へ。無理に食べさせるより、その方がずっと大切です。
フードとおやつ、私が見るのは「原材料の最初の3つ」
パッケージの言葉は、正直あてになりません。私が必ず見るのは、裏面の原材料表示です。ここだけ押さえれば、だいたい見分けられます。
- 原材料は「使った量の多い順」に書かれています。だから最初にちゃんとお肉が来ているかをまず確認。穀物やよく分からないものが先頭なら、私は選びません。
- 着色料・香料・保存料のような添加物が、ずらりと並んでいないか。シニア犬には、シンプルなほど安心です。
- タンパク源は何か。鶏や馬に加えて、鹿肉のような低脂肪・高タンパクのお肉も、脂肪が気になる子のいい選択肢になります。
おやつ選びは「老犬に安心して与えられる無添加おやつの選び方」、フードの切り替えは「シニア犬用フードへの切り替え方」、添加物のことは「犬の無添加おやつとは」で、もう少し掘り下げています。
私たちが作っているもの ―― 北海道産・無添加「カムイジャーキー」
手前味噌になってしまいますが、私たちの鹿肉ジャーキーは、まさにここでお話ししたことを形にしたものです。原材料は北海道産のエゾシカ肉だけ。猟師が一頭ずつ仕留めた鹿を、保存料も着色料も香料も使わず、手作りしています。低脂肪・高タンパクなので、筋肉を守りたいシニア犬にぴったり。噛む力が落ちた子には、小さくほぐしてトッピングにも使えます。
「食が細くなっていた我が家の老犬が、これだけは目を輝かせて食べてくれました」——そんなお声をいただくたびに、作っていてよかったと思います。
まずは鹿肉ジャーキーを見るひと手間で、ごはんは「待ち遠しいもの」になる
食が細くなったシニア犬でも、いつものフードに少し手を加えるだけで、しっぽの振り方が変わることがあります。ゆでた肉や野菜を少しのせる、無添加ジャーキーをほぐしてふりかける——香りと食感のアクセントを足してあげるだけ。手作りに挑戦したい方は「老犬の手作りごはん入門」、介護が必要な子には「老犬の介護食づくり」、量や回数のことは「老犬のごはんは1日何回?」を参考にしてください。
よくいただく質問
Q. シニア犬は何歳からごはんを変えるべき?
小型犬は7歳、大型犬は5〜6歳が一つの目安です。ただ、年齢より「食べ方の変化」のほうが正直なサイン。食べるのが遅くなった、痩せてきたと感じたら、そのときが見直しどきです。
Q. 食欲がないとき、すぐ病院に行くべき?
1日くらいなら、まず温める・トッピングなどを試して様子を見てもいいと思います。ただ、2日以上食べない、元気がない、嘔吐や下痢があるなら、迷わず受診してください。心配なときは、早めに獣医師に相談するのがいちばんです。
Q. 鹿肉はシニア犬に向いていますか?
鹿肉は低脂肪・高タンパクで、筋肉を守りたいシニア犬と相性のいいお肉です。脂肪が気になる子のタンパク源としても選ばれています。理由は「鹿肉が犬の体に良い理由」で詳しくお話ししています。
まとめ:難しく考えず、「質」をひとつ見直すことから
長くなりましたが、お伝えしたいことはシンプルです。
- シニア犬のごはんは「筋肉を守る/胃腸にやさしく/水分/食べやすく」の4つを意識する。
- 食べないときは、まず温める・トッピング・回数を分ける。2日以上続くなら受診を。
- フードやおやつは原材料の最初にお肉が来ているかを見る。鹿肉のような低脂肪・高タンパクも選択肢に。
全部を完璧にやる必要はありません。今日のごはんに、お湯を大さじ1足すところからで十分です。愛犬が、一日でも長く「おいしい」と思える毎日でありますように。
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この記事を書いた人|DOG LUCK(カムイジャーキー)
看護師として30年、人の回復と「食べること」に向き合ってきました。以前飼っていた愛犬を亡くしたさみしさを知っているからこそ、いまは北海道で、犬と猫のための無添加・鹿肉ジャーキーを一つひとつ手作りしています。
※本記事は一般的な情報提供であり、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは獣医師にご相談ください。
