看護師として30年、患者さんの「口から食べる」回復を見守り続けてきた私が、愛犬を亡くした後に北海道でたどり着いた答えが「無添加」でした。食べるものは、命に直結する。人間も犬も、ここだけは妥協できないと思っています。
目の下が赤茶色に染まり、毛が固まっていく——「また今日も洗ってあげられなかった」と罪悪感を持つ飼い主さんは多いです。私もそうでした。でも、涙やけは日々の小さなケアと食事の見直しで、かなり改善できます。この記事では自宅でできる取り方から、食事でできるアプローチまでまとめています。
先に結論
涙やけの「取り方」と「再発を減らす方法」は別物です。汚れを取るには毎日の目周りふき取りと専用ローションが基本。再発を減らすには、涙の量を増やしている原因(食材の添加物・アレルゲン・毛の刺激など)を一つずつ取り除くことが近道です。色素沈着が進んでいたり、目やにが多い場合は、必ず獣医師に相談してください。
涙やけとは何か——なぜ茶色くなるの?
涙には「ポルフィリン」という色素成分が含まれていて、これが空気に触れて酸化すると赤茶色に変色します。マルチーズやトイプードルなど白い被毛の犬種で特に目立ちますが、どんな犬にも起こります。
涙が過剰に出る主な原因は三つあります。
- 目に当たるまつ毛・逆さまつ毛・顔の毛(物理的な刺激)
- 食事中のアレルゲン・添加物が涙腺に影響している場合
- 涙管(鼻涙管)が詰まっているか生まれつき狭い
このうち③は医療的な処置が必要ですが、①と②は飼い主が日常的にアプローチできる部分です。
涙やけの取り方——自宅でできる3ステップ
まず汚れを「取る」話から始めます。すでに茶色く固まってしまった毛は、薬用成分のない清潔な方法でゆっくり落とすのが原則です。
ステップ1:専用ウェットシートか精製水ガーゼで毎日ふき取る
ベビーワイプは犬の目周りには刺激が強いものも多いため、ペット専用のアイシートか、精製水(薬局で手に入ります)を染み込ませたガーゼを使ってください。目頭から目尻に向かって、一方向にそっと拭きます。ゴシゴシこするのは毛と皮膚にダメージを与えるので禁物。
我が家でも以前、コットンに水をしみこませてやっていましたが、毛の奥まで届かず色素が抜けませんでした。専用シートに替えたら、3週間ほどで目に見えて明るくなりました。
ステップ2:固まった毛は「ふやかしてから」取る
乾燥して固まった涙汚れを力任せに引っ張ると皮膚を傷つけます。ぬるま湯でガーゼを湿らせ、1〜2分あてて柔らかくしてから、コームで優しくほぐします。目周りの毛が長い犬種は、ここでついでにトリミングしておくと次回からの汚れがたまりにくくなります。
ステップ3:目周りを乾燥させて雑菌の繁殖を防ぐ
拭いた後に湿ったままにしておくと、雑菌が増えてにおいや皮膚炎の原因になります。清潔なガーゼかティッシュで水分をしっかり押さえてから終わりにしましょう。ドライヤーは目に近いため使用しないでください。
涙やけを繰り返さないための食事の工夫
毎日拭いているのに一向に改善しない——そう感じている方は、「なぜ涙が増えているのか」に目を向けてみてください。食事が原因になっているケースは、実際に少なくないと私は経験から感じています(ただしそれを数値で断言できるデータは現時点では十分ではないため、あくまで一つの視点としてお伝えします)。
添加物の多いフードを見直す
市販の一部ドッグフードには着色料・保存料・香料が含まれています。これらが体内で消化される過程で、涙・皮膚・耳への影響として出ることがあります。成分表示で「BHA」「BHT」「亜硝酸ナトリウム」などが含まれているフードは、一度替えてみる価値があるかもしれません。もちろん急な切り替えは消化器への負担になるので、1〜2週間かけて少しずつ移行してください。
タンパク源を変えてみる
鶏肉や牛肉にアレルギー反応を示す犬は、涙が増えることがあります。涙やけと食事の関係を詳しくまとめた記事でも触れていますが、鹿肉・馬肉・魚などの「新規タンパク」に切り替えると、体質が合っていれば数週間で涙の量が変化することがあります。
エゾシカ肉は脂肪分が少なくタンパク質が豊富で、かつ一般的なフードに使われることが少ないため、アレルギーの除去食としても注目されています。私がカムイジャーキーを作り始めたのも、「北海道の自然の中で育ったシカ肉なら、安心して犬に食べさせられる」という想いからです。
水分補給と水の質を確認する
水分が不足すると涙腺や粘膜の状態にも影響します。ウォーターファウンテン(流水式給水器)にしてから水を飲む量が増えた——という声はよく聞きます。また浄水器を通した水を使っている飼い主さんから「涙やけが軽くなった」という報告を受けることもありますが、これは水だけの効果とは断定できません。複数の変化を同時に行わず、一つずつ確認するのが原因特定のコツです。
毛のカットと日常管理——見落とされがちな物理ケア
食事と同じくらい大切なのが、毛の管理です。目の周りの毛が長いと、毛が角膜を刺激して涙の分泌が増えます。これは犬の涙やけ完全ガイドでも詳しく触れていますが、意外に見落とされているポイントです。
定期的なトリミングで目周りをすっきり保つ
2〜4週に1回、目周りの毛をカットするだけで涙の量が明らかに減る犬がいます。自宅でやる場合は先が丸いカーブハサミを使い、必ず明るい場所で犬が落ち着いているときに行ってください。怖がる場合はトリマーさんにお願いするのが安全です。
逆さまつ毛・結膜炎が疑われるときは自己判断しない
目が充血している、目やにが多い、頻繁に目をこする——こういった症状があるときは、涙やけの前に眼科系の問題が隠れていることがあります。自宅ケアで解決しようとせず、早めに獣医師に診てもらってください。
涙やけ対策グッズの選び方
市場には「涙やけ対策」をうたう商品がたくさんあります。ローション・サプリメント・涙やけ取り用ウェットシートなど。選ぶときのポイントをまとめておきます。
- 成分表示を見る:アルコール・防腐剤・香料が入っていないものを優先
- 目周りに使えると明記されているか:汎用のボディシートは刺激になることがある
- 継続性:価格より「毎日続けられるか」を重視する
サプリメント(乳酸菌・オメガ3・ビタミンCなど)については、効果の個体差が大きいです。気になるものがあれば、かかりつけの獣医師に相談してから取り入れるのがベターです。
涙やけが気になる子の食事を変えてみたい方へ ― 北海道産・無添加「カムイジャーキー」
カムイジャーキーは北海道のエゾシカ肉だけを使い、保存料・着色料・香料は一切使っていません。低脂肪・高タンパクで、鶏肉や牛肉を使った一般的なフードとはタンパク源が異なるため、鹿肉が犬に向いている理由に関心を持つ飼い主さんから選ばれています。「まずおやつから試してみたい」という方に、少量のお試しをご用意しています。
鹿肉ジャーキーを見るよくいただく質問
Q. ホウ酸水での涙やけ洗浄は効果がありますか?
ホウ酸水(低濃度)は昔から犬の目周りケアに使われてきた方法で、一定の効果を感じる方もいます。ただし濃度の調整を間違えると粘膜への刺激になることがあります。市販の眼科用ホウ酸水を使うか、自作する場合は獣医師に濃度を確認してから使うようにしてください。
Q. 涙やけは完全になくなりますか?
鼻涙管の構造的な問題がある犬では、涙の量をゼロにすることは難しいです。ただ、ケアと食事の見直しで「色素沈着をここまで薄くする」「汚れが固まる前に取り除く」ことはできます。「完治」よりも「うまく付き合っていく」というイメージの方が現実的です。気になるときは獣医師に相談してください。
Q. 子犬のうちから対策した方がいいですか?
早めに始めるほど色素沈着が浅いうちにケアできます。特に白い毛色・短頭種(フレブル・パグなど)・涙やけが多い犬種は、生後3〜4か月から目周りのふき取り習慣をつけておくと、成犬になってからの色素沈着が軽くなることがあります。ただ子犬の場合は皮膚が敏感なため、使うグッズは必ず子犬対応のものを選んでください。
まとめ
涙やけは「取る」と「増やさない」を両輪で続けることで、確実に改善に近づきます。
- 毎日のふき取りで色素を固まらせない(精製水ガーゼか専用シート)
- 食事の見直し(添加物・アレルゲンになりやすいタンパク源をチェック)でそもそもの涙の量を抑える
- 目周りの毛の長さを管理し、物理的な刺激を減らす
色素沈着が濃い、目やに・充血が目立つ場合は自己判断せず、まず獣医師へ。日常のケアは続けながら、食事という角度からも愛犬の涙やけを見直してみてください。食事と涙やけの関係をさらに掘り下げた記事もあわせてどうぞ。
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この記事を書いた人|DOG LUCK(カムイジャーキー)
看護師として30年、人の回復と「食べること」に向き合ってきました。いまは北海道で、犬と猫のための無添加・鹿肉ジャーキーを手作りしています。
※本記事は一般的な情報提供であり、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは獣医師にご相談ください。